STORIES

a hope of NAGASAKI 優しい人たち

今までマスコミなどで被爆体験を話したことがない被爆者の方々の新たな証言※1をドキュメンタリー映画化。
今までも多くのアーカイブが残され、もう語ることができる体験者はいないだろうと言われて久しい中、松本監督が1年を掛けて取材を続け、得た10名の証言を一本の映画として完成させた。

そこから見えてきたものは…

親を亡くす、友達を亡くす、差別や偏見、いじめで苦しむ

ありとあらゆる人間の惨状を経験したにもかかわらず、それらを乗り越えてきたマインドとは…

『恨むことの無意味さ』から平和への思いが語られる

  新型コロナウイルス
  米中対立
  イラン情勢
  北朝鮮問題
  香港情勢
  格差社会

上げればきりがない不安定要素が、世界の緊迫度を高めている現在。
その中で迎える原爆投下から75年、終戦から75年をどう見つめるべきなのかを考えるきっかけになることを祈り、幕を開ける。

for you 人のために

2016年、オバマ大統領(当時)が歴代アメリカ大統領として初めて被爆地広島を訪れた。

多くの被爆者が追悼式典に参列する中に森重昭の姿があった。

オバマ大統領は森の前で立ち止まり、優しく彼を抱き寄せた。

その時の意味とは。

アメリカが原爆投下地を決断した時、その地にアメリカ人がいないことが選ぶ基準となった。

しかし、実は数日前に日本軍によって撃墜されたアメリカ軍機の捕虜が広島にいたのだ。その事実を40数年かけて調べ上げ、乗組員らの遺品をアメリカ人家族に返却したのが森である。

彼をそこまで動かしたものは何なのか…。

また広島には人のために尽くした人たちが多くいる。

原爆手帳の取得や制度の見直し、暮らしへの寄り添い。

立ちはだかる挫折を乗り越えた力とは。

被爆しながらも救護活動を続けた外国人神父たち。自身も怪我を負いながら、広島市民の救護活動を行っていた。 被爆直後は外国人であることで恐怖を感じながらも、市民に寄り添い続けた。

なぜ彼ら、彼女らはそこまで人のために動くのだろうか。

広島原爆を通し、当時の惨状から人々の生き様を浮き出し、「人のために生きた人たち」をフューチャーしたドキュメンタリー映画。

生きる FROM NAGASAKI

1945年8月9日11時2分、広島に続き長崎にも原爆が投下された。

多くの犠牲者が出た惨劇であったが、生存した者たちも多くいる。

その惨劇の中で、永井隆と一緒に救護活動を行った者も健在である。

しかし年月とともに彼女にも変化が…。

終戦直後、家にアメリカ兵が立ち寄ってきて、オルガンを弾くように言われ演奏していた少年。毎日のように彼らはやってきて歌うのは「きよしこの夜」だった。いつしか彼らとのコニュニティーが出来上がり、ある将官がついに妹を自分の娘にしたいと。

その少年だった武立は、その思いを今に蘇らせるために向かった先は、とある教会である。

未だに被爆体験を話してこなかった被爆者がいる。

風化されつつある原爆の事実が、ある家族のやり取りでも見られた。

団らんの中、原爆を知らない親戚に「当事者の気持ちがわからんか!」と叱責したことを思い出す被爆者もいる。

そして「皆に支えられて生きてきた」と言う者も多くいる。

差別や偏見がある一方、支え合う人々の思いも存在し、それぞれの生きてきた思いを綴る。


鑑賞感想

被爆した方々のその後の生活、想い。凄惨な暗いストーリーではなかった
こんなご時世だからこそ、考えさせられるものがありました。人と人が手を取り合い、分かり合える平和な世界が来て欲しいです。
九州出身なので戦争に関わる授業をたくさん受けて来ましたが、辛いだけでなく心が救われるような気持ちになったのは初めてです。
良い人たちを狂わせてしまう戦争というのは2度と繰り返してはいけないと思った(高校生からの感想)
今日見たものがドラマではなく、実話だということが信じたくないと思ったし、本当に長崎広島で起こった出来ことなんだと改めて思った (高校生からの感想)
今、子どもたちが熱心に取り組んでいる平和学習を私たち大人も忘れることなく
語り継いでいかねばと心底思いました。気づきや振り返りの機会を与えてくださり大変ありがとうございました。今年の原爆の日はまた特別な日になりそうです。(長崎先行試写会)
私たちの世代は、自分の祖父母から戦争体験をそれなりに聞いていて、なんとなくは理解していますが、子供の世代は、直接聞いている子はごくわずかだと思います。
二度と戦争を起こさないため、未来を担う子供たちには特に、ぜひ見ていただきたい映画です。
音楽も素敵でした。(長崎先行試写会)
語ってくださった皆さんが、恨みの感情を言われていないことが本当にスゴイと思いました。
教育の在り方次第であると感じました。
勝手な思い込みをしない、自分で調べる、自分で確認することもしっかり行っていくことが大事だとも思いました。
今後の学生生活に活かしたいと思います。(高校生・長崎先行試写会)
私自身被爆2世で、平和公園や映画にも出てきた浦上天主堂付近で生まれ育ちました。
8月9日の話は幼少のころから色々と聞く機会が多かったですが、今回の映画はある意味非常に新鮮でした。
戦中の異常な日本の様子や戦後の被爆者の人生にまで広げることで、より、人間の人生が戦争によって大きな影響を受けていることを鮮明に感じる事ができました。
人間は、「怒り」や「憎しみ」といった感情よりも、「悲しみ」や「喜び」といった感情の方が長く続くように思えましたし、それによって同じ過ちを繰り返さないような浄化作用があるのではないかと救いを感じました。(長崎先行試写会)